《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記 | 山崎治子『句集 たなごころ』(狩俳句会)より

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《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

山崎治子『句集 たなごころ』(狩俳句会)より

2023.06.04



昭和63。
「狩」同人。第1句集。

じやんけんの石ばかり出すちやんちやんこ

蝉の声減りゆく日々よ母訪はな

なぞなぞの父から母へ暖炉の夜

息かけて両手はげます紙漉女

肉片のごとく重なり落椿

子の籠を先に満たして蓬摘み

おとし穴遊びのむかし花ざくろ

留守の間の嵩あきらかに柿落葉

数へ日や駅前にとぶ新聞紙

一息に口上を述べ春著の子

指先に目のあるごとく粽結ふ

どの段も水に均され花山葵

寒き夜の反故をまるめる音ひとつ

地の窪はみな水ためて手鞠花

着くたびにふえる鼻傷貸ボート

買はざりし熊手の重み手に残る

電柱にななめななめに雪が降る

終戦日以後は余生といひて父

衣ところどころはじけて衣被

穴出でてたちまち蟻の敵味方

あやとりのまた川となる春の昼

すさまじや城に石高一覧表

天主堂涼しやにはか信者にも

庭へだて母も灯を消す星月夜

陸橋をくろぐろと貨車去年今年

片づけるやうな仕草で罠仕掛け

トラックの荷台で指図苗木市

流木もまじへて高きキャンプの火

挨拶は抜きであがれと生身魂

祓はれし身につけ戻る草虱

頬被りはづし主の座に坐る

花冷えの石畳踏み花の世へ

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