《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記 | 石橋万寿『句集 飛天の笛』(ふらんす堂)より

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《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

石橋万寿『句集 飛天の笛』(ふらんす堂)より

2023.06.13



2011年。
「狩」同人。第1句集。

買初めの本の匂ひを抱き戻る

折りあがる女雛を待てる男雛かな

花吹雪幌かけてゆく乳母車

風上へ合図野焼きの火を放つ

磯遊びせし夜の風呂にこぼれ砂

人波の上に真白き破魔矢かな

老いの身にふりだしの出て絵双六

ものの芽の力溜めゐる尖りかな

頂上をすこし貰ひて掻氷

イタリアのやうなブーツで落葉踏む

病ひには互ひに触れず日向ぼこ

水餅の焼かるるまでの仔細かな

風光る恋のラケット重ね置き

氷より匙のつめたきかき氷

身を反らしつつ白鳥の相寄りぬ

末の子の名はひらがなでお年玉

紫陽花の終のいろ見ず家移る

一寸にして貫禄の福寿草

ねだられて日の暮るるまで野に遊ぶ

絵葉書を選るごとく買ひ花の種

父母の手をブランコに花野ゆく

華やかな過去は語らず竹の秋

石けりの石もち帰る春の暮

新涼や拭きかさねゆく皿の音

文机をきれいに拭きて月を待つ

かさこそと土恋ふる音種袋

汝が髪のリボンを的に草矢打つ

新涼や流れは石を磨きづめ

切口を揃へ俎始めかな

春愁や部屋に二つの時計音

天高し一笛に立つ組体操

弾ませて握るおむすび百千鳥

スイートピー束のリボンも花のうち

駆けてゆく子らよ花野の花となれ

かりがねの声を飛天の笛かとも

一礼の影うつくしき春障子

さみどりの笊にあふれし京菜かな

全身を棒のごとくにシャワー浴ぶ

いつ越えし女盛りよ春日傘

鶴引きて夜空に星を残しけり

木犀や金より銀を好む齢

夏帽子ロビーの椅子を一つ占め

緑蔭に少女の脱ぎし乗馬靴

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