《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記 | 山口速『句集 道しるべ』(富士見書房)より

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《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

山口速『句集 道しるべ』(富士見書房)より

2023.08.06



平成11
「狩」同人
第3句集

朴落葉土になじめぬままの反り

飾り海老龍に劣らぬ髭を張り

たかんなに近づく鍬を後ろ手に

遠く来て茅の輪一歩でくぐり抜け

神殿に脱ぎ捨てられて蛇の衣

生きるとは残さるること鳥雲に

あかがねの拳ゆるめて種を蒔く

ひぐらしのこゑもちりばめ光堂

白鳥を載せみづうみのたなごころ

もの言はぬひと日が欲しや龍の玉

冴え返る魚拓には目がひとつのみ

硬さうに張られ遠野の代田水

暑気中り寝ころびて聴くレクイエム

名前などどうでもよくて裸木は

太陽はまさしく主賓運動会

滝入れてまた流速の最上川

ぽつぺんは駄句さながらのひびきかな

雪に顔捺せば忽ちデスマスク

美しき雪嶺めざし救助隊

料峭の筆禍につづく舌禍かな

お松明火のたてがみがちぎれ飛ぶ

誓子忌はベートーヴェン忌あたたかし

焼藷をつつむ核実験の記事

降りさうで降らぬいちにち栗の花

国宝の臍の涼しき観世音

手を噛まれさう炎天の赤ポスト

学帽のむかしありしよ木の葉髪

初日てふ一球体に手を合はす

どか雪のあと一輪の月照らす

大野焼かの戦火には及ばざる

ねんごろに戻す筍掘りし土

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