《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記 | 山代あづさ『句集 桜襲』(狩俳句会)より

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《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

山代あづさ『句集 桜襲』(狩俳句会)より

2023.11.05



平成10
「狩」同人
第2句集

犬撫でて落第の子の後向き

人魂の巧みな動き夏芝居

出まかせの名で呼んでやる枯野犬

肩凝らぬだけが取り柄の古ジャケツ

寒紅や嘘とまことの使ひ分け

雪女泣くに男の胸いらぬ

葬送ののち梅林へ歩を移す

切り返す言葉おさへてレース編む

落ちてなほ夢見ごこちの合歓の花

送り火の消えてひとりに戻りけり

露の世のつゆの縁の浅からず

笑ひ皺深くなりたり初鏡

喪の家と背中合せの冬籠り

蹠より冷えて案内の僧に蹤く

うららかや夢食べ飽きて獏眠る

渓流の風が風呼び河鹿笛

母の背を砦に鬼に豆を打つ

室咲きやひとりに馴れて馴らされて

春愁の捨て場求めて繁華街

稜線を一瞬あらははたた神

香水で別の女になれるなら

ライオンのTシャツがゆく炎天下

こまごまと物干しをれば小鳥来る

人と生れ猫と生れて日向ぼこ

香水の瓶捨てかねて戦中派

一錠に求めし眠り虎落笛

着ぶくれの子を着ぶくれの母が抱く

夭折の姉かも知れず雪女

水仙の似合ふ仏になり給ふ

もう植うる場所もあらぬに苗木市

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