《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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山田和『句集 夏の蝶』(文學の森)より
2023.12.11
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平成31
「京鹿子」同人
第1句集
受験子の入りて校門静もれり
花明り小橋それぞれ名を持てる
月見草寄せ来る波のうら翳る
筆太の城主の手紙紙魚走る
夫の捥ぐ梅エプロンに受けにけり
あぢさゐや捨てると決めしピアノ弾く
天平の塔より高き夏の蝶
新米の旗翻り近江晴
教壇を去る日の近く日脚伸ぶ
たこ焼を生業として冬の汗
紙漉の水重くなる夕茜
湖北なる暑さ二寸の大根焚
小春日や神馬の鞍の干してあり
初春の一刀彫の馬匂ふ
花すすき安土の風をはなさずに