《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記 | 西脇妙子『句集 花筏』(六甲出版)より

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《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

西脇妙子『句集 花筏』(六甲出版)より

2024.01.03



平成8
「風」「雉」同人
第1句集

秋の蝶吹かれて川を渡りきる

冬牡丹くづれて菰の広さかな

鬼追ひを瓦の鬼が見下ろせり

月食に傷舐めてをり恋の猫

酒倉の裏春泥の深轍

筍(たかんな)を一夜ねかせし土間濡るる

歩くより早く流れて落椿

亀石のあごの下より冬の草

湯の宿や花びら川を越えて来し

半蔀を上げて落花をみ仏に

青すだれ見合ひ疲れの足伸ばす

息白く言葉少なの別れかな

足場まづ祓ひ鉾立てはじまりぬ

初つばめ沖つ白波見て返す

蝉の声千年杉をあふれけり

旧街道箒と大根並べ売る

滝涸れて日の当たりゐる一ところ

たたりある岩と伝へて滴れり

日をはじく能登の瓦や稲の花

菊師出づ抜身の太刀をかいくぐり

うぐひすや朝富士の肌なめらかに

踏まれゐる邪鬼の目玉の春ぼこり

秋の雷術後の胸にひびきけり

病室に薄をいけて無月なり

天守にてはげしく使ふ秋扇

握手してはげます別れ秋ざくら

石垣のなりにうねりて穴まどひ

夫婦滝涸れて一つとなりゐたる

訃のしらせ干梅ひろげゐたる時

朝露の光を踏みて牛舎まで

身に入むや仏の頬に兵火跡

中空に赤き寒月余震来る

恋とげてつぶれし家に猫戻る

血を採らるつくつく法師の声の中

退院を蝿虎に迎へらる


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