《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記 | 名和直子『句集 月の浪』(東京四季出版)より

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《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

名和直子『句集 月の浪』(東京四季出版)より

2024.01.22



平成23
「浮寝鳥」同人
第1句集

例年の茸狩り誘ふ母の文

挿木より育てし乙女椿かな

念入りに手鏡ふきて業平忌

麩まんぢゅう届き新茶の封を切る

鳰の子の波のひかりに紛れけり

柿を選る婆一疊の日の筵

十夜鉦とゞめの一打ありにけり

角を伐る神官鹿の口に水

リュックより犬が顔出す紅葉狩

極月の禪堂に日の映りきし

墨とばし鶴一文字の吉書かな

古時計とまりしまゝの紙漉場

花にきて常照皇寺の残り雪

沙羅の花書院大きく開け放つ

かぼちゃ供養庫裏に大鍋五つ六つ

客の髭ほめて夜店の似顔絵師

雪吊の縄に弛緩は許されず

命名の墨あを〵〳と筆始

みどり児の寝てゐる部屋も豆をまく

馬の貌ますます長く陽炎へる

極月の全き富士に合掌す

蝶凍てて枯山水の色となる

青北風の海鵜の小舎を吹きぬけり

白魚買ひ湯浅醤油も買ひにけり

法然も眺めし青嶺雲迅し

一休寺納豆匂ふ圓座かな

禁煙をつゞけ一年稲の花

釣果とて美濃の錆鮎届きけり

「乾坤」と墨たつぷりに筆始

新雪の愛宕詣となりにけり

鐘つけばひと揺らぎしてどんどの火

父の部屋に母の遺せし雛飾る

山寺にいとも小さき涅槃像

傘たゝむ芭蕉玉解く明るさに

竹生島はるかや秋の簾巻く

花野きて蟲養ひの飴ひとつ

綿のもの著せて神馬の冬支度

一幹に五本の足場松手入

炭焼夫煙辛しと火を落す


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