《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記 | 柳井梗恒子『句集 面晤』(邑書林)より

◎近畿一円、出張いたします。 一般書から学術書・専門書、現代から江戸(和本)まで。

Top >  日記 > 柳井梗恒子『句集 面晤』(邑書林)より

《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

柳井梗恒子『句集 面晤』(邑書林)より

2024.01.29



2006年
「幡」会員
第1句集

汁椀をおきて黙祷原爆忌

つぶらなる眼の蓑蟲と出会ひたり

泥の中高野聖の足掻きゐる

麥埃腕にはりつく眞晝かな

空中庭園借景は雲の峰

娘生れたり数へ日のそのひと日

井伏鱒二逝く
はんざきや黑き雨など降らすまじ

眼に鱗飛ばせて鰯選別す

料峭のことばやさしく拒まるる

貴船路は木にも石にも鴨足草

走り根の行きつくところ苔の花

マフラーの中の喪のタイ直しゐる

百萬遍西入ルあたり大文字

咳をして放哉さんの墓前かな

五合目は天地の境富士薊

そつぽ向く向日葵ばかり實家なり

舞妓の名あかあかとある秋團扇

箒草霜を重ねし色ならむ

空海に私度の前歴花なづな

もののふの駒立てし巌夏の潮

颱風の餘波の河口の濁りかな

葦を焼く炎の中へ飛ぶ炎

蝿生まる書斎といふは名のみにて

月天心日本狼出て吠えよ

鯊釣の即かず離れず口利かず

花衣こゑもろともに立ち上がる

妻とゐて芝居のやうな花吹雪

手術痕撫でつつ讀めり漱石忌

日記一覧へ戻る

【PR】  Rest  オートショップナカノ  町田の整体「藤原カイロ療術院」  千の笑い 花園 居酒屋  向井歯科クリニック