《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記
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北川あい沙『句集 風鈴』(角川マガジンズ)より
2024.02.03
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平成23
無所属
第1句集
春の野を子供は転ぶまで走る
空色の目をしてしやぼん玉を吹く
ひとの声してをり朝寝してゐたる
木蓮の版画のやうに咲いてをり
春風のそよいで人の居ない部屋
父の日のみづうみを見て帰りけり
蛇の棲む庭美しき花の咲き
夕顔のひらいて猫の帰らぬ日
風鈴の音色はきのふよりはるか
草の実のとんでひとりにやさしい日
紅葉のしてゐる誰も居ない家
水ゆれて冬あたたかく思ひけり