《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記 | 井原美鳥『句集 分度器』(文學の森)より

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《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

井原美鳥『句集 分度器』(文學の森)より

2024.02.13



平成30
「握手」「沖」同人
第1句集
 
まんなかに母在る幸や雑煮吹く

 
花蜂の8の字飛びのビブラート

 
蚕豆を剥くもうひとり子の欲しき

 
亡き人の一語一語や龍の玉

 
カフカ読む秒針の音冴えて来し

 
父の日やオイルのまはるフライパン

 
十二月八日元栓固締めす

 
漢字帳に母がいつぱい日脚伸ぶ

 
草波に浮くをおぼえて蜥蜴の子

 
お日柄も枝ぶりもよき巣立かな

 
蝉の森投網のなかをゆくごとし

 
塩すこし買ひ足す二百十日かな

 
きざはしに袂余して春着の子

 
緊急地震速報蔦の芽が真つ赤

 
ずれがちの眼鏡拳法記念の日

 
母の日や短縮番号1に母

 
没個性否脱個性萍よ

 
おひさまはけふもすつぴん掛大根

 
ヤッホーのホーよく伸びて春の山

 
言はでもの悔いよ金魚に泡ひとつ

 
夏休み嗚呼消しゴムの滓のなか

 
頬杖にかなふ小窓や小鳥来る

 
行く秋の何せむとして手に輪ゴム

 
まだ音を置かぬ五線紙鳥雲に

 
梅白し結ぶみくじも負けてゐず

 
瓜冷ゆる庖丁位置につきにけり

 
日の丸に十字の折目文化の日

 
猟銃を磨く眼いまおとうとでなく

 
動物病院枯野から引く電話線

 
風邪熱のはじめ夜空を被(き)るやうな

 
浅蜊売海をこぼしてゆきにけり

 
天を突く主審のこぶし夏に入る

 
雪降り積む合せ鏡のかたわれに

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