《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記 | 柴崎加代子『句集 砂山』(ふらんす堂)より

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《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

柴崎加代子『句集 砂山』(ふらんす堂)より

2024.02.15



2010年
「狩」同人
第1句集

背泳を時には見せて鯉幟

向日葵の丈の止まらず休耕地

藍甕の藍の息づく土間の冷え

耳遠き父が捉へし初音かな

真つ先に犬駆け込めり避暑の荘

保育所に泣く子を預け休暇明け

新胡麻を砂金のごとくたなごころ

肩肘を張りたるままの捨て案山子

着ぶくれて顔まで丸くなりしかな

忙しき母を素通り風邪の神

幕の内二段重ねに初芝居

脱ぎ捨ててあり成人の日の晴れ着

雛の前尻丸出しに襁褓替ふ

野遊びやまとひつく子に躓きて

大粒は思はず口に苺摘み

びしよぬれになつておしまひ水遊び

向日葵の背比べして保育園

いつせいに太陽へ逃げ稲雀

地場のもの地に並べ売る豊の秋

どんぐりをひとりが拾ひ列乱る

一本の杭をよすがに薄氷

天をさす指より甘茶注ぎけり

積み上ぐる岩の五段に作り滝

草で鎌拭ひてをはる草刈女

くれなゐの一字なびかせ氷旗

どんぐりのひかるものより拾はるる

煤逃げの先生とあふ珈琲店

大試験父の時計を腕に嵌め

杉花粉まみれの空へケーブルカー

野遊びや一人駆ければみな駆けて

楽焼皿窯に預けて野に遊ぶ

読みかけのページに置かれ青蜜柑

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