《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記
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林朋子『句集 眩草(くらら)』(北溟社)より
2024.04.10
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2002年
「船団の会」「晩紅塾」
第2句集
外套の中を出たがるアフォリズム
母の家までに片寄るさくら餅
夏掛の母を流れてしまひけり
父と子と聖霊の御名により蓑虫
鮟鱇のかならず点る魚図鑑
後頭に柱親しき麦の秋
視野の端突いてゐたる金魚かな
家中のテレビ笑ひぬ夜の秋
一生に栞挟みて昼寝せる
この日暑きことも大事や敗戦日
梟も大僧正も居るには居る
ブラ着けて乳房生まるる桃の花