《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 | 日記 | 大島幸男『句集 雪解』(青磁社)より

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《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記

大島幸男『句集 雪解』(青磁社)より

2024.05.11



2024年
「氷室」同人会長
第1句集

悴みし妻の釦を嵌めてやる

一抜けて二抜けて釣瓶落しかな

羚羊の一点にして動かざる

旅鞄曳く音のあり明易し

文豪をまねて頬杖夏座敷

天高し大河と言ひて筋ほどに

やみくもに線引きし書を曝しけり

夏の雨さらり約束反故となる

チンパンジー一人と数へ長閑なり

闇重く濡れ蛍の二つ三つ

石仏の其処は手をもて草を刈る

ゆるやかに星入れ替はる蕎麦の花

美しき一枚は手に落葉焚

雪折の音する夜の深さかな

眩しさよ草摘むことも摘む草も

ばらばらに海を向く椅子夏に入る

海に来て海に背を向け氷水

左手の山が右手となる帰省

さかさまに椅子摘まれたる夏の果

古書店の奥に昭和とかじけ猫

雪形が出ました帰郷しませんか

夜学子のざくりと置きし鍵の束

シーソーの子を夕焼に預けたる

かはほりや駅の階段かく長き

白日の蟻が土吐く爆心地

誰かもう踏んでゆきたる霜柱

ンに終はる持薬あれこれ万愚節

紫陽花や濡れしベンチに浅く掛け

禱解きまた草を刈る沖縄忌

マスクしてこの世に吾のなきごとし

酔ふほどに出る国言葉井月忌

野良着脱ぐ口の胡瓜を放さずに

大学に絡みしへくそかづらかな

コスモスや恋の話は石蹴つて

雪雲のきつぱり切るるくにざかひ

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