《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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土方秋湖『句集 四神』(東京美術)より
2024.07.30
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昭和56
「馬酔木」同人
第2句集
ほたる見の車の中を螢とぶ
晴るるらし声つつぬけの青葉木菟
猪鍋や酔のまはるが目に見えて
首を振る百合の夜風がとどきをり
盆ちかき仮寝の夢に母のくる
使はれてそりくりかへる蝿叩
駆けゆきて雲となりけり補虫網
弟を泣かせ片手に蝉鳴かせ
灯をつらね旧街道は秋まつり
すぐ泣いてもどる端午の紙兜
遠花火全きが見え寂しかり
波間より章魚のからみし腕出づ