《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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石鍋静穂『句集 散蓮華』(春燈社)より
2024.08.13
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昭和55
「鶴」「春燈」会員
竹林のこぼれ日の恋雀かな
菊膾老いては味のある顔に
頬杖仏蛙におん目借られけり
なんの実か爆ぜて焚火を驚かす
かなづかひ毛糸編む娘にまた質す
松過ぎの凧へろへろとあがりけり
山栗を拾ひをさなき日を拾ふ
広辞林歳時記散らし寝正月
夕焚火双手かざしてみなやさし
蝋梅にとろりと午後の日ざしかな
賭けごとに溺れし祖父の墓洗ふ
暑に対す滅法熱きもの食べて
八岐の大蛇出でて夜神楽たかぶれり
かたりべのごとくに春の夜の雨は