《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 | 日記 | 辰巳あした『句集 卑弥呼が袖』(ふらんす堂)より

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《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記

辰巳あした『句集 卑弥呼が袖』(ふらんす堂)より

2024.08.29



2000年
「雨月」同人
第1句集

目にしかと合格の文字風光る

叫喚の声なき声の菊人形

水中花少女に絵空事の恋

枯きざす蟷螂にある翡翠の眼

姑となるためらひのあり初鏡

蓑虫の窺ふ人の世や如何に

百万石城址や落花舞ひづめに

水中花女に厳し女の眼

菊替ふと菊師静を羽交締め

かぶと虫闘はせよと女言ふ

摩周湖といふ霧のみの湖を見き

西郷を徐々に太らせゆく菊師

鹿屯ろして春陰を深うせる

孕鹿万象に耳敏くゐる

枯露柿の里の大きな夕日かな

子の広き背を見て歩く春の風

秋天の青きより滝落ちて碧

春宵やボンソワールと巴里帰り

蝮裂き眉根一筋動くなし

逝く秋の動く歩道に動かず居

蛇嫌ひ一番に蛇見つけたる

子蟷螂ふにやふにやの鎌構へたる

滝に背を向けて滝聴く漢かな

暑きこと言はで西瓜の出来を言ふ

歌かるた父の大きな掌の記憶

咲き満ちて花に放心あるごとし

雪吊の張りと弛びのはざまかな

外套のポケット思惟のありどころ

文化文政雛の古びのめでたけれ

野の涯を見んとや草の絮の飛び

ドガよりもロートレックの踊子草

モーターボートにジャンヌダルクのごと立てる

引潮がむんずと海月攫ひゆく

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