《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 | 日記 | 楠戸まさる『句集 飛火野』(本阿弥書店)より

◎近畿一円、出張いたします。 一般書から学術書・専門書、現代から江戸(和本)まで。

Top >  日記 > 楠戸まさる『句集 飛火野』(本阿弥書店)より

《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記

楠戸まさる『句集 飛火野』(本阿弥書店)より

2024.10.03



2000年
「狩」同人
第2句集

脱ぎすてしごとき漁網や朧の夜

沙羅の花落ちてこの世に音ひとつ

流るるもとどまるもまた水の秋

蓮枯るる枯れきらぬものぶらさげて

白鳥の降りくる大き脚垂らし

耳も目も遊ばせゐたる初山河

竹藪に畳み捨てられゐる暑さ

切り取りて置けば影添ふ鹿の角

三山を手庇に入れ初景色

庭に出て土踏みしめて三日かな

幹こつと叩きて冬木目覚ましむ

耳も目も驚きやすき鹿の子かな

ひとすぢの水の流れて枯蓮田

初みくじ読みて直立不動かな

涼しさに指立て給ひ観世音

春水に押されて鷺の歩みかな

天平の寺極彩の毛虫這ふ

沖合に漁り火ぽつと秋の暮

存問のごとく叩きて裸の木

咲きてはや錆のはじまる白椿

冬ぬくし大き拳の龍馬像

棺桶のごとき風呂桶冷まじや

枯葦の風にきしめる湖北かな

黄落やみちのくの河大曲り

日記一覧へ戻る

【PR】  有限会社 秀進開発  株式会社東海テクニカルサービス  川崎空手スクール 駅前教室【Ksスタジオ内】  割烹食堂いそべ  《ワインと宇治茶》コント デュ ヴァン 新福島 Les Contes du Vin.