《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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『竹村良三集(自註現代俳句シリーズ13期9)』(俳人協会)より
2024.11.12
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令和3
「天塚」同人
がんがんと雲の峰湧く賤ケ岳
叩きつつ聞きしラジオや敗戦忌
禿頭を撫づるごとくに墓洗ふ
旅に立つ神に子の婚告げにけり
死んだふりして大寒を生きてゐる
み仏に坐りよろしき西瓜割る
名月を抛り上げたり三笠山
風花や「見事なお骨でした」と僧
ふくよかに遺影の妻や初明り
戸締りを知らぬ村人麦の秋
鶴の子のまだ紅を頂かず
蕉翁の春惜しみしはこのあたり
これよりの一夜一夜や初月夜
年新た怒らんとこう泣かんとこ
朝よりの無言八月十五日
能面の裏はからつぽたかしの忌
足癒えよ膳所も大津も夏まつり