《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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細見綾子『句集 天然の風』(角川書店)より
2024.11.21
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平成4
第8句集
「風」同人
寒牡丹淡きは淡く濃きは濃き
椎の実のここぞとばかり落ち溜まり
雪嶺をはるか国仲平野かな
松秀で桜秀でて佐渡の春
遠ち方は黒づみゐたる青葉潮
年暮るる胸に手をおきねむらんか
流し雛手で送り波してやりぬ
寒牡丹包める萼のうすみどり
夢殿をめぐりて寒の草取女
人形の恋の熱気や寒の汗
沈流亭その名に春を惜しみけり
山雨来て葛の花打ちはじめたり
れんこんの泥東京に来て乾く