《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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須藤昌義『句集 巴波川(うずまがわ)』(角川書店)より
2025.01.02
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2016年
第1句集
「海原」編集長 「枻」同人 「琉」会員
第1句集
薄氷に昨夜の風筋残りをり
白雲の端つかまんと蕨出づ
守衛所の仕事納の鍵の束
薄氷を踏めば彼方の水動く
星となる火の粉もあらむお水取
老優の科白のごとく返り花
池中の鴨を集めて麺麭の耳
巴里に買ひ羅馬に開く白日傘
透明になるまで瀧の前に立つ
ふかし藷ほくりと割れば母います
寒垢離の始まるまでの水静か
日本丸待春の帆を張りにけり
明智風呂素性こまごま聞かれけり
注連貰幸来橋を渡りくる
龍天に登りて一誌終刊す
アトリエの一枚硝子燕来る
春光や隣のビルにビル映り
忌に帰るのみの故郷葡萄熟る
裸木に修羅金剛の力あり
雪隠へ行くにも雪を十歩ほど
今年竹伸びよと空をあけておく
角砂糖青く燃やして巴里祭