《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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谷田明日香『句集 父の筆』(ふらんす堂)より
2025.01.07
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2020年
「風土」同人
第1句集
蟻出づるをじつとしやがんで男の子
一蹴りで筍倒す男の子
ありなしのしづくに震ふ鴨足草
恋の鹿真夜の線路を突つ切つて
自転車を押して行かうか紅葉晴
天高し口引き結び馬上の子
靴に泥滲ませ梅に迫りけり
舟出さん若布刈竿にて引き寄せて
磯風に影定まらず干し若布
監察員水鳥ざつと二十種と
電車にて正座してゐる半ズボン
底冷えを蹄の音のひびき来る
花びらをあつめて吹いて童女よ
春昼の電車胎内とはかくや
青き目のZEN学びをり青嵐
雨の日は雨のにほひや草の花
稲穂田を大蛇のごとく風渡る
餅撞きの漢より湯気立ちのぼる
松籟に福笹の鯛へらへらと