《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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立木音楽堂のことなど
2012.07.08
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大津にある立木観音の近くにある立木音楽堂へ。
音楽堂とはいっても、公演は月に1回あるかどうか。
土日はカフェになっており、平日は閉めている。
夏休みも1ヶ月と、ほぼ趣味のように見受けられる。
何はさておき、写真でも見ていただけるように眺望が見事。
大きなガラス窓から見る瀬田川のすばらしいことよ。
雨続きで流れ激しく、緑色に濁っており、全体的に曇ってはいたが、それでも水墨画が動いているようであった。
BGMのバッハに合わせるかのように、鳥たちが川をよぎる。
手づくりのガトーショコラもしっとりと美味しく、いつまでいても飽きることがない。
音楽堂を出ると、「ホーホケキョ」のきれいなさえずりが響く。
800段ほどの石段を登り、立木観音にお参り。
1200年前、弘法大師が光る霊木を見つけたが、瀬田川の流れが急で渡れなかった。
そこに突然白い鹿が現れ、大師を背中に乗せて木へと連れて行った。
その木で観音を彫り、それが本尊として祀られているという。
立木観音を後にし、石山寺の麓にある「茶丈藤村」の茶室にて一休み。
和菓子とお茶でゆっくりしようとすると、突然店の前で甲高い声が響く。
テレビの撮影らしく、「一句ひねりたくなりますねえ。ひねりませんけど」などと適当なことを言っている。芭蕉が石山寺で句を詠んだことにちなんでだろう。
吉本の芸人ということで、表の撮影は昼間に行い、夕方に名物の菓子の取材に来るという。
少しだけ中に挨拶をしてすぐに出て行ったが、その姿は紛れもなくガリガリガリクソン。
個人的にもっとも気に入っている芸人なので、いささかテンションが上がる。
ちなみに「茶丈藤村」の由来は、島崎藤村が失恋による傷心から、石山寺に2ヶ月滞在したことによる。
さらに滋賀県立近代美術館へ。
ロシアアニメのチェブラーシカの特集で、前回ここへ来たときは白洲正子だったので、客層の違いが際立っていた。
先日読んだ、古本屋を舞台にした『ビブリア古書堂の事件手帖3』で、チェブラーシカの絵本を題材にした話があった。
それによると、もとは現在のアニメとはまったく違い、タヌキにしか見えなかったという。
展示ではそれを確認できた。
また、著作権がまったくなかったので、ありとあらゆる姿のチェブラーシカがこれでもかというくらいに集められていた。
京都に戻って少々買取り。
アクティブな1日となった。
