《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 | 日記 | ザ・シンフォニーホール開館30周年 ガラ・コンサート

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《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記

ザ・シンフォニーホール開館30周年 ガラ・コンサート

2012.10.14

本日の大阪のザ・シンフォニーホール。
30周年記念ということで、それは豪華な出演者たちと多彩なプログラムで構成され、今後そうはお目にかかれない公演となった。

直前になって、中国からのピアニストは尖閣問題で来日できず、ヴァイオリンのギトリスは高齢でドクターストップがかかり、これも来れず。
しかし、これが怪我の功名。出演者はオール日本人となったが、あり得ない顔ぶれとなる。

まずは井上道義指揮、大フィルでワーグナーの「マイスタージンガー」第1幕の前奏曲で幕を開ける。
開館して第1回も同曲であったそうだ。
私のもっとも好きな曲で幕が上がる。
ミッチーこと井上さんは華やかでユーモアがあり、こういう記念公演にはぴったりの人だ。

次は、ヴァイオリニスト前橋汀子さんの演奏。
マスネの「タイスの瞑想曲」、サンーサーンス「序奏とロンド・カプロッチョーソ」。
いつ聴いてもこの人の演奏は温かみがあり、もっとも好きなソリストの一人である。

今度は代役として登場なのだが、あまりにも驚きの代役である。
たしかに、記念すべき公演でそれなりの人を持ってこないといけないわけだが、これは凄い。
もっとも好きなソリストのもう一人、諏訪内晶子さんだ。
パリから直行で来てくれたらしいが、彼女の予定の都合がついたことがすごい。
朝日放送のスタッフの方もご苦労されたことだろう。
曲は、ブラームスの「ヴァイオリン協奏曲」より第2と第3楽章。
立ち姿が惚れ惚れとする。天はニ物を彼女に与えたもうた。
前橋さんの直後に諏訪内さん、これは今後二度と実現することがあるだろうか、というくらいの組み合わせだ。
前橋さんの愛器はグァルネリ・デル・ジェス。ドイツの税関で押収された堀米ゆず子さんのもそう。
温もりが感じられる。情の深い人が愛する楽器かもしれない。
かたや諏訪内さんはストラディヴァリウス。
両ヴァィオリンの音色の違いを堪能できたのも非常に贅沢であった。
ストラディヴァリウスは諏訪内さんの雰囲気にマッチしており、高雅な響きをもつ。

もうここまでで十分なのだが、次に「椿姫」の2曲がソプラノとテノールで演じられ、休憩。

後半は清水和音の弾くリストの「ピアノ協奏曲第1番」。
続いて、これも代役としてピアニストの小曽根真が登場。
彼はジャズピアニストとして有名なので、聴いたことはなかった。
曲はやはりジャズの色濃いガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」。
クラシックのピアニストのもので聴くのとは違い、ジャジーな演奏を縦横無尽に弾きこなす。
この曲は中学生のころ、自分で生れてから買ったCDの2枚目に当たり、バーンスタイン、ニューヨークフィルの演奏であった。
聴かなくなってずいぶん久しいが、非常に新鮮で刺激に満ちていた。

最後はレスピーギ「ローマの松」。
この曲を生で聴いたのは初めてだった。
ちなみに、古本カフェでお客のいないときはわりとこれをかけている。
アップダウンが激しく壮重なので、好きならともかく、一般的には読書には不向きかもしれない。
で、これがハープにピアノにパイプオルガン、客席後部にはトランペットを配置し、スピーカーからは小鳥の声と絢爛豪華、最後を締めるに相応しい演目であった。
ここのホールの響きの評判は高く、その響きを大阪だけに「どや!」と見せつけるかのような演奏であった。

休憩を挟んで3時間。
この記念公演に立ち会えたことが心からうれしい。
運営母体は変わるが、今後もすばらしい演奏がここで聴けることを期待している。

ザ・シンフォニーホール開館30周年 ガラ・コンサート

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