《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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馬と話す
2012.11.29
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最近馬の本をよく読んでいる。
馬の世界的調教師モンティ・ロバーツの『馬と話す男』は名著と言っていいだろう。
調教の過程で馬に虐待を加え、反抗心を取り除く手法に疑問をもち、馬を観察することで馬の言葉を学び取っていった著者の姿勢がよくわかる。
叩いたり縛り付けなくても、馬が自分から擦り寄ってくるやり方は見事だ。
エリザベス女王の前でも披露したそのパフォーマンスはyou tubeでも見られる。
http://www.youtube.com/watch?v=p_0q4HMjirs
はじめて会った人を乗せたことのない野生馬を馴らしていく。
ただロバーツ氏と言えども、人間に苛められて心がひねくれた馬とは、すべて和解することはできなかったようだ。
今日、2週間ぶりに馬に乗った。
先週は胃腸の調子が悪く、とても乗れる状態ではなかった。
馬の糞をボロと言うが、馬上で揺られれば自分がボロを出しただろう。
今日の馬は噛む馬なので、みな手入れのときに手を焼く。
反応が良いので乗るにはいいのだが、敏感で触られるのを好まない。
これまで、どの馬も乗れば最低1度はボロを出して、出せば出終わるまで待たねばならない。今日は一度もなく止まることなく進められた。
ただ、韓国の観光客が見に来ていて、団体でカメラで撮るものだから馬が怯えて制御できない場面もあった。落馬はしないものの困りもの。
馬にもずぶといのもいれば、この馬のように過敏すぎるものもいてしっかり個性がある。
ロバーツ氏の本は「馬と話す男」になっているが、原題は"The Man Who Listens to Horses"である。
話すではなく「馬に耳を傾ける」。
馬に乗ってほぼ丸1年。この本の示唆するところは大きい。
