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《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記

kindleを使ってみて

2012.12.18

Amazonの電子書籍Kindle(Paperwhite3G)を使ってみた感想。

・画面
非常に見やすい。
E-inkは実際のインクを使っており、紙に近い感じは十分に出ている。
ただ、多くが指摘している下端のぼやけた影は大変気になった。
スクロールはスムーズ。

・重さ
カバーなしではそれほどでもないが、カバーをつけたときにそれなりに重量感がある。
機械なのでハードカバーの本をもつよりずいぶん重い感じ。
軽量化が必要。

・機能
大して機能を使っていないが、わからない単語に合わせると辞書で教えてくれるのは重宝する。

・出版数
現在日本語では10万点ないくらいなので、正直読みたい本がない。

・サポート
問題が起こったときに回答が返ってくるまでにずいぶん時間がかかった。

総合的にはまだまだ紙の本を駆逐するまでには行っていない。
アマゾンが満を持して出したのでどうかと思ったが。
洋書を読むにはいいと思った。アルファベットは26文字だけだが、日本語はひらがな・カタカナ・漢字と複雑である。丁寧に作られてはいるのだが、いかんせん画面が小さいだけにせめて文庫を広げたくらいの文字を概観したい。文字を大きくは出来るが、しょっちゅうスクロールをしないといけないのでこれまた不便。
一度読み終わってぱらぱらもう一度概観することも難しい。自分の知りたい箇所がどこにあるかぱらぱらめくって見当をつけることもできない。
そう、紙の本の利便性は概観できるところだろう。厚みがわかれば読むのにどれくらいかかるかもおよそ把握できる。kindleも読むのにあと何時間と表示は出るが、クオリア(質感)がない。
慣れも大きいとは思うが、内容把握も紙の本のほうがスムーズ。概観できれば1冊を手中に収めながら理解していけるが、ただデータをめくっているだけでは走っていてもどこを走っているのかわからず、ゴールもぼんやりしている。

かさばらないので旅に出るときにはよいだろう。またすでに述べたように洋書を読むのも。
まずは本にこだわりのない人が読むマンガから電子化が進むかもしれない。
マンガは巻数もそれなりになるので。
若い世代に蔵書家はほとんどいないので、物としての本に価値を感じることは薄いのだろうか。
単に読み捨てられる小説ならもっと価格が安くなればそちらのほうに流れるだろう。

レコードからCD・iPodなどに簡単に移行できた感性なら、電子書籍のほうにもすぐに行きそうな気がするが、概観できるメディアという書物という形態は音をアナログからデジタルに変換した以上の障壁であり、実に優れた特性であるとkindleを使ってみて痛感した。あらためて紙の本のよさを感じた次第。
というわけで、kindleは手放した。改良されればまた試してみるだろう。何だろう、非常に優れていながら根本でダメという感覚。CDで感じたところと同じ。音はすごくクリアなのに肌に合わない。例えるなら美人だけど人形。それでも二次元のテレビゲームのキャラクターのほうが好きという人なら違和感は感じないだろう。
書物という形態は固定化してずいぶんたつが、電子書籍はまだまだ発展途上。
利便性や資源問題もまたペーパーレスを進めていく要素になる。

ペーパーレスは書物はいいからまずは書類や領収証など、実用的なものをとっとと進めてほしいものである。
本は邪魔だと思わないが、書類は邪魔。前者は所持しておきたいもの(もある)、後者は所持しておかなければならないもの。
画期的な発明がそろそろ出てきてもよさそうだ。

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