《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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放鷹術 & 今年最初のコンサート
2013.01.13
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二条城の緑の園にて、放鷹術の実演が行われた。
京都では年に2回二条城で行われているとのこと。
猛禽類が好きで、フクロウの瞑想的な姿、トンビの高所を優雅に弧を描く様、鷲や鷹のあの眼の鋭さ、凛としたたたずまい、動物園でも彼らの場所に行くともっともテンションが上がる。
放鷹術(鷹狩の技)なかなか見る機会はないので楽しみにしていた。
寒さ厳しい中、大勢の観客たち。
その中を10人近くの鷹匠と鷹匠補が鷹を腕に乗せて園を回る。まずは鷹を環境に慣らすためだ。
全国各地から鷹匠が集まり、男性だけでなく女子大生も九州から来てくれていた。
鷹匠のトップの方が説明をされていて、それが大変聞き取りやすくわかりやすい話し方で感心した。ここに書くのはその説明を基にしている。
日本産の鷹は飼育が禁じられているそうで、連れて来られた鷹はすべて中南米などの外国産。
鷲と鷹の区別は基本的に大きさだけだそう。イルカとクジラ、インコとオウムもそうらしい。
ちなみにミミズクは耳みたいな羽がついているフクロウだからそう呼ぶとのこと。
鷹匠は海外でも活躍しており、バードストライクといって鳥を追い払う役目を担っている。
空港で鷹がほかの鳥を追い払うことで事故を減らしたり、日本でも烏の追放に一役買っている。
実演のはじめは渡りと言って、鷹匠の腕から鷹を飛ばしもう一人の鷹匠の腕に捕まらせる。
餌合子(えごうし/えごし)という餌入れを腕で鳴らして鷹を呼ぶ。
中に肉片を入れて音がすれば肉という条件反射を作り出す。
その際、飛んでくる鷹に対して鷹匠は背中を見せている。鷹に恐怖心を抱かせないためだという。
次に、擬似餌を凧糸のような紐に巻きつけて凧のようにしゅるるっと投げると鷹が捕まえにいく技。
この紐を撚れるのは京都で1人だけだとか。
鷹は生き物なので鷹匠の技術ももちろんあるが、コンディションで反応が違う。
お腹がさほど空いていなければなかなか飛んできてくれなかったり。
馬に乗っているのでその辺の感覚はよくわかる。
どんなに乗馬技術が優れていても、馬のコンディションが悪ければ上手くいかないのと同じ。
実演はあくまで練習を見せているだけなのでショーではないと言われていたが、いやいや十分におもしろかった。嘆声が自然と口から出た。
午後に京都コンサートホールで今年はじめてのコンサート。
「ニューイヤーコンサート」
指揮/山田和樹 Pf/仲道郁代
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調「皇帝」op.73
ディーリアス:「小管弦楽のための2つの小品」から、
「春を告げるかっこう」
シューマン:交響曲第1番変ロ長調「春」op.38
新春ということで華やかさや春を感じさせる曲目。
山田さんは若手でもっとも注目されている指揮者だろう。
コバケンこと小林研一郎氏に指揮を学んだということだが、指揮棒がぷるぷる震えるような炎の指揮ではなく、表情から読み取れるようにやわらかく、ていねいかつ忠実であった。
シューマンがもっともよかった。
これを聴いて、ようやく年が変わったのだと実感した。
アンコールはベンジャミン・ブリテンの「シンプル・シンフォニー」から。
ブリテンは今年生誕100年。日本では演奏される機会が多くないがよい曲が多い。ぜひ、コンサートでたくさんやってもらいたい。
