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《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記

クロスワードパズル100年

2013.03.18

毎週金曜日、毎日新聞の夕刊のクロスワードパズルを解いている。
昔からクロスワード好きで、ぴったり当てはめることが好きなのだ。

ジグソーパズルもよくやっていた時期があった。
掃除は好きではないが、整理は比較的好きなのも、ぴったり当てはまる場所が見つかると快感だからである。
俳句や短歌、川柳も五七五という定型にぴったり言葉をはめる。まさにパズル。だから詠み続けている。
遡れば中学時代、文化祭やら体育祭などの標語を作っては選ばれることが多かった。
覚えているのは挨拶の標語だけで、これは担任が気に入って教室にずっと貼ってあったから。「あいさつは心の川の渡し舟」。別に挨拶に思い入れがあったわけではない。文化祭や体育祭にも関心はなかったが、ただ型に言葉をはめてみたかっただけ。
「どうしてそんなにポンポン浮かぶの?」と担任に聞かれ、「何か(どこかから)やってくるんです。」という返事をした。
本をダンボールに詰める作業も同じ。ダンボールの大きさに合わせて本を詰めていく。

話をクロスワードに戻して。
夕刊にクロスワードパズルが、今年で100年になるとあった。
世界初のクロスワードが1913年、アメリカの『ニューヨーク・ワールド』なる雑誌に掲載されたらしい。
パズル作家の言葉が引用されていて、「『クイズ』は思い出すものであり『パズル』は考えるものである」と。まさに至言であろう。パズルは知識だけを問うているのではないから。いくつもの可能性の言葉をヒントから考え出し、当てはまるものを選び出す。パズル作家も一般的な言葉が思いつかず、普段使うことのないワードを出題したりすることもあるので、語彙を増やすことにもつながる。

で、これは気づかなかったのだが、黒マスがシンメトリーになっている。
シンメトリーの美しさも挑戦したくなる要素なのだろう。

新聞は社会や政治面を重視するため、夕刊の文化欄は貴重である。
新聞を取らないところもずいぶん増えたので、取っているだけましであるが夕刊は無駄だから取らない、朝刊だけ、というところも多い。
しかし夕刊は実におもしろい。現在一般紙は朝夕刊セットだと3,925円。朝刊だけなら販売店によって異なるが、数百円程度しか違わない。クロスワードだけでもその価値は十分にあると思っている。毎日の文化欄はクロスワードのみならず、俳壇や川柳など、非常にレベルが高い。京都では講読層の5%しかいないが、コアな読者に支えられているのだろう。

外国語もおもしろそうなので、たった今、英語のクロスワード集を取り寄せた。
ドイツ語でもあればやってみたい。

話を飛躍させて。
狭義の意味での人生、つまり処世術というのは、あるものをどこかにはめていくことだと言えるかもしれない。
人・物・金をどこに当てはめるか、また自分をどこに当てはめるか。
気を合わせる、気を一にするというのもまさにそういうことに他ならない。
人生はパズル、そう言うこともできるだろう。

歯車という喩えはチャップリンの「モダンタイムス」のように、人を物として捉える冷たい見方だとされる。それも確かだろう。
ただ、どこかの歯車であることが悪いことではない。それがスムーズに回っていれば幸せな状態と言える。
しかし、組織でぴったり合わない、歯車になれないこともある。
それなら宇宙の運行に従って回されていればいい。
一人でもスムーズに回っていれば、かみ合わないさび付いた歯車であるよりは心地いい。
どこで生きるにせよ、その場所が自分にとってぴったりか、違ってくればまた移動する。
そんなパズルのセンスこそ、終身雇用でもない現代にとくに必要なセンスなのではないかと考えている。

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