《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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リズムとスポット
2015.03.27
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馬に乗る際、鞍を乗せてその上にまたがるわけですが、鞍の中心を鞍ツボと言います。
つまり鞍ツボは馬の中心でもあるわけで、そこにピタッとはまっていれば安定して馬に乗っていられることになる。
馬が動くのに合わせて自分も揺られ、つねに鞍ツボにいられるようにすること。
そうすればバランスを崩すことがなくなるというわけです。
「鞍に深く座る」ことを乗馬で言われることが多いのはこのためです。
ただ、そのためには姿勢がまっすぐでありながらやわらかであること。
さらにリズムが挙げられます。
このリズムは単調でありながら生き物なので微妙。馬のリズムに合わせることで鞍ツボにしっかり座っていられる。
肩もゆったりと、リズムに合わせて手綱を握る拳も適当に揺すられる。
静坐や真向法をはじめ、日本に古くからある修養法、体操、坐禅や伝統芸などの記述に欠けているのは、このリズムでしょう。
リズムの記述がなく、熱心にやればどうしても体が固まってしまう。
呼吸もリズム。呼吸に合わせて体もゆったりしてくるのが本当でしょう。
しかし、しっかり呼吸をするというだけでは、呼吸をするたびに体が固くなってしまう。
達人と呼ばれる人たちはみな、自身のリズムを持っていますが、彼の人たちはどうもそこは自覚していないのか、ただリラックスしてと言うだけです。
ダンスのような目に見える激しいリズムではなく、体が自然に持っているリズムを感じる。
古くからある日本の、広い意味での修養法にはよいものがあるにも関わらず、堅苦しいしんどい苦行と見なされがちなのは、”リズムの(記述の)欠如”によるところが大に思われます。
静坐と乗馬の相乗効果があるというのは「しっかり坐る」という共通点のためです。
坐りにもスポットがあり、スポットに収まっていればゆったり坐っていられる。
乗馬では鞍ツボであり、静坐では丹田でしょうか。
どちらにせよ、リズムが合っていればスポットに収まり、スポットに収まっているということはリズムに合っているということになります。
リズムとスポット、この2点の関係こそこれまでに看過されてきたものでありながら、本質そのものではないかと実感するところです。
さて、仕事の話。
一昨日は屋根に雪積もる鞍馬へ。昨日は、亀岡市、京都市内、城陽市へ。
一昨日は取り壊し寸前の家で、本の函の中にカメムシの死骸がびっしり入っておりました。
はじめての経験で、死骸なので臭いは大したことはありませんが、死せるカメムシと闘っておりました。畳も腐っており、足がズボッとはまる。これは以前にも経験したことあり。
カメムシに続き、昨日は猫との闘い。
猫そのものではなく、本を猫がひっかいたり、尿の臭いやらシミやらという状態で、本そのものはドイツ文学で悪くないのに状態がよくない。残念ですがしかたありません。
たくさんの猫がおり、赤ちゃん猫も7匹いて引き取り手を探しています。
うちでもうしおの仲間に猫かウサギでもと思ったことはありました。じっくり考えてみたのですが、やはりうちは古本屋。本をひっかかれては大変ですので、やはり飼えないという結論に。
かわいらしい猫たちです。引き取りたいという方がいましたら、連絡を取ってみますのでお申し出ください。
うしおはずいぶん落ち着いてきているので、お仲間はいいかと今のところは思っています。
you tubeのミニヤギうしおシリーズ追加。
・ミニヤギうしお 春ですな
https://www.youtube.com/watch?v=pwmdwpp1B3o
春うららの土手。鶯の声響き渡る。
春の小川の替え歌。
♪春の子山羊はトコトコ行くよ
岸のスミレやレンゲも食うよ
姿小さく 色白黒の
旨い旨いと貪るうしお
・ミニヤギうしお ネギちょうだい
https://www.youtube.com/watch?v=0V6EMvPCuu0
写真のタイトルは「MT車」。
