《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 | 日記一覧

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《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 の日記

金子敦『句集 シーグラス』(ふらんす堂)より

2021.05.13




2021年。
「出航」会員。第6句集。

サ行まだ曖昧な子の御慶かな

正の字の正しく燃えて吉書揚

抱き上げて子猫こんなに軽いとは

不等辺三角形の花筏

飛び入りのブレイクダンス花吹雪

蟻の列マーブルチョコの赤運ぶ

聖火の…

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九鬼あきゑ『句集 海へ』(角川書店)より

2021.05.11




2019年。
「椎」主宰。第4句集。

触れてみて落蝉に怒られてゐる

花の下空の深さに打たれけり

蝉時雨五體共鳴して止まず

鶏頭は鶏頭のまま立つてゐる

流鏑馬の少年に天高かりき

鴨は鴨鷗は鷗暮れてゆく

平らなる海従へて…

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『加藤耕仔(花神現代俳句22)』(花神社)より

2021.04.25



1998年。
「耕」主宰。

硝子戸の中の平穏黄落期

ゴーギャンの女等が声鮑舟

川鵜翔つ民話の渕の蒼きこと

身の中を潮が引きゆく秋の暮

轆轤挽く木地師の眉間鵙猛る

寄する波足裏に親し磯遊び

いつしかに母の齢や水中花

ラケ…

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『現代俳句の世界13 永田耕衣~』(朝日文庫)より

2021.04.12


昭和60年。

日のさして今おろかなる寝釈迦かな

踊り子にトマトのこれる畑かな

死近しとげらげら梅に笑ひけり

春の鶴真白き糞を落しけり

秋の野に立つて秋野を見ざるなり

みの蟲をかたちづくりぬ夕風は

机上より寒鮒釣の見…

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横山美代子『句集 薔薇』(ひこばえ社)より

2021.04.06



昭和56。
「ひこばえ」同人。第1句集。

動くものわがほかになし墓洗ふ

啓蟄の玉砂利あらく踏みにけり

読みのこす「女の一生」葱きざむ

閉経す野火跡に雨けぶりゐて

天炎えて孤に徹しゐる大鳥居

石舞台炎昼の蝶ながれもす

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丸谷才一『七十句』(立風書房)より

2021.03.31






1995年。
作家である著者が70歳を記念しての70句。
挿絵は和田誠氏。

永き日や車内のひげの品さだめ

見送りて目薬をさす帰雁かな

闇に置けば呪文つぶやく蜆かな

困つてはじつと手を見る啄木忌

兄いもと違ふ解き方笹…

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薗田みちる『句集 東山』(俳句アトラス)より

2021.03.29



令和1。
「雪解」同人。第1句集。

京盆地しまく黄砂に沈みけり

天に咲く泰山木の錆やすき

水馬影の大きく流さるる

比叡より秋の京射る日矢のあり

時代祭武将落馬にどよめきぬ

手を引かれ見掛けぬ顔も地蔵盆

枯れ枯れて哲学…

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田中君子『句集 大津絵の鬼』(ふらんす堂)より

2021.03.24



2005年。
「泉」同人。第1句集。

茶が咲いて日向の猫のうすまぶた

病める子の部屋に放ちし螢かな

寒の雷壁の写楽の大目玉

嫁の手を借りて鏡を開きけり

魞舟をながめて坐る遅ざくら

炎吹くこともして見せ夏芝居

霞草夫を…

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瀬戸内寂聴『句集 ひとり』(深夜叢書社)

2021.03.12



2018年。
第一句集。第6回星野立子賞。

柚子湯して逝きたるひとのみなやさし

はるさめかなみだかあてなにじみをり

子を捨てしわれに母の日喪のごとく

身ほとりのものの芽ばかり数へをり

落籍(ひ)かされし技(こ)の…

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藤井明子『句集 雪見障子』(安楽城出版)より

2021.02.16



2005年。
「馬酔木」同人。第1句集。

誕生日すきな器に苺盛り

鱧寿司や京に育ちて京知らず

かりがねや人は禍福を振り分けに

日のめぐみ風の愁ひに秋深む

百勝の騎手さはやかに手を振りて

厄落し右より付けるイヤリング

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