《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記一覧

◎近畿一円、出張いたします。 一般書から学術書・専門書、現代から江戸(和本)まで。

Top >  日記

《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

細見綾子『句集 曼陀羅』(立風書房)より

2022.06.24



昭和53。
「風」同人。第6句集。

白鳥はおほかた眠る白鳥湖

白鳥に到る暮色を見届けし

梅を見て空の汚れのなきをほむ

牡丹に雨の荒れざまのこりたり

奈良大路洗ひ流せし大夕立

雲の峰一言主の森に生れ

雲ふるるばかりの花…

続きを読む

秋元不死男『句集 甘露集』(角川書店)より

2022.06.14



昭和52。
「氷海」主宰。第4句集。遺句集。

禁書冴ゆ赤鉛筆の削り粉も

一面の霜種牛が床を蹴る

殺されて流れきし蛇長すぎる

七夕や履いて石噛む妻の下駄

瀬を跳んで青年櫛を落す夏

頁繰る音も別れに似て冴ゆる

狂院のどこ…

続きを読む

宇佐美魚目『句集 天地存問』(角川書店)より

2022.06.13



昭和55。
「青」同人。第3句集。

蚊のこゑや家はなれゆく父の骨

塗畔や外より家の内冷えて

木に干して魚籠も衣も春の果

一点の日かげもあらず草刈女

掛稲の露の垣なす丹波かな

糸流す蜘蛛の顔あり花御堂

落栗のいきなり水…

続きを読む

磯田富久子『句集 菊川』(狩俳句会)より

2022.05.25



平成11。
「狩」同人。第1句集。

身のどこか鈴の音して春着の子

塾の子のポケットに垂れ独楽の紐

落ち凧のいやといふほど地を打ちて

蓮枯れて茎のはがねのごとき反り

ヒロインと同名われは着ぶくれて

太陽に向きたんぽぽ…

続きを読む

飯島晴子『句集 春の蔵』(永田書房)より

2022.05.21



昭和55。
「鷹」同人。第3句集。

箱庭の草心外にそよぎをり

狡猾に波立つてゐる冬の池

人とゆく野にうぐひすの貌強き

親友や螢の池をあひへだて

大章魚を愁のごとくさげてをり

月光の象番にならぬかといふ

続きを読む

飯島晴子『句集 朱田』(永田書房)より

2022.05.19



昭和51。
「鷹」同人。第2句集。

韮一本われの眼を扇ぐなり

泊船に真近く夏の唇とほる

夏蜜柑別のひかりに人坐る

子を産んで射干の朱を見て居りぬ

冬の枝はなれて熱き赤子擁く

紅梅のなかに入つてゆく眼光

続きを読む

木田千女『句集 お閻魔』(角川書店)より

2022.05.16



平成20。
「天塚」主宰。「狩」同人。第5句集。

兜太派も狩行派もゐて初句会

行き過ぎかいや生き足らぬ雑煮餅

酒きらひ男もきらひ白浴衣

粥すすり涙もすすり十夜婆

矢一本持つ神将や冬はじめ

奥祖谷の目も鼻もなき土雛

月…

続きを読む

楠橋かずえ『句集 星今宵』(狩俳句会)より

2022.05.14



平成11。
「狩」同人。第1句集。

若者に付かず離れず山登る

けが人の笑ふ訓練震災忌

ポットの湯捨てて退院年の暮

何をしに二階に来しや花火の夜

種を採る大向日葵の首抱へ

階下より鍋ごと届く夜食かな

磯遊び何かにつけて…

続きを読む

柳瀬旬『句集 旅びと』(狩俳句会)より

2022.05.08



平成11。
「狩」同人。第1句集。

寒紅をさしてをさなきことを言ふ

ちぎり絵の糊のはみ出し春隣

もてなしの冷房強くうちとけず

皓き歯のいよいよ皓しサングラス

底履きの厚きゴム底小鳥来る

背凭れのなき民具椅子春愁ひ

豊…

続きを読む

木田千女『句集 白炎』(本阿弥書店)より

2022.05.04



1998年。
「天塚」主宰。「狩」同人。第6句集。

ペン先で人めつた切りペン始

ひなあられ十粒添へられ患者食

夏場所や化粧まはしに星条旗

出目金を買うて龍宮城も買ふ

少年の獄舎に高き鯉のぼり

敬老といふ一番にいやな…

続きを読む

8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22
【PR】  ドッグブティック&カフェ メイク・ア・ウィッシュ  リフォーム ワイリペア株式会社  ORGANIC COFFEE さくら珈琲豆店  藤井寺整体院 植木カイロプラクティック・ラボ  整体とリラクゼーションのお店 てぃーら