《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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杜若スターバックスなき町の 陸沈
2017.05.12
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杜若スターバックスなき町の
鬼太郎もセブンも美術館の初夏
ラーメン屋へと五月雨の傘の列
まつさらの輸入レコード夏兆す
父の手も声も知らざり柏餅
馬上より花野の人をおどろかす
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『伊藤トキノ集(自註現代俳句シリーズ七期23)』より
2017.05.11
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白息の答へ白息もて問はれ
月明し産んで小さき身を抱かれ
子とふたり午後は忍法昼寝の術
青年の白息太し去るときも
着ぶくれてゐて愛などと真赤な嘘
暗がりを駆けてしなやか恋の猫
空蝉をつぶすこはれぬものが欲し
日を避く…
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ボールペン使ひきつたり白つつじ 陸沈
2017.05.10
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ボールペン使ひきつたり白つつじ
さゆらげる白椿血を吐ききつたか
万緑のうちの二緑や赤子の瞳
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決心の白き一筋杜若 陸沈
2017.05.09
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決心の白き一筋杜若
杜若とアヤメ、花菖蒲を見分けるのは難しいが、花の模様を見れば識別がつく。
杜若は花びらの真ん中に一筋の白い線が入っている。
城陽の穴場だろう。バッティングセンターとラーメン屋の間に見事な…
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水仙の枯れ伏しあらは石仏 陸沈
2017.05.08
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水仙の枯れ伏しあらは石仏
奈良の般若寺にて。
八重桜寄れば枝ごと馬喰らふ
馬に乗って山路を行く。
八重桜がきれいだったので馬を寄せてみたらばくっと食べてしまった。
眠るにも起きるにも在り若葉風
新緑の山から山へ一…
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山羊は俳句が好きか
2017.05.06
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先日、2階で階段に積んでいる本が落とされる音を聞いた。
下りるとうしおが『新実作俳句入門』のカバーをかじった形跡が。
そして今日、ちょっと入ってみた滑稽俳句協会の封筒をくわえて、自分のケージに持ち込んでい…
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春の果秘仏の如来出でませり 陸沈
2017.05.05
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春の果秘仏の如来出でませり
一昨日、奈良の般若寺、向かいの植村牧場へ行き、最後に璉珹寺へ。
奈良にはよく来るが、この寺は知らなかった。
5月だけ開かれるようになったらしく、裸の阿弥陀如来立像が見られると雑誌…
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考える人の背スルー若葉風 陸沈
2017.05.04
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考える人の背スルー若葉風
今日はどれも夏の季語。
夏日も増えてきました。
写真は京都国立博物館での考える人の像。
俯いてばかりでは若葉風を感じられないだろうと。
夏立つや二の腕太きピアニスト
マルタ・アルゲリッチ…
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原始なる春曙の静坐かな 陸沈
2017.05.03
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原始なる春曙の静坐かな
朝の静坐。
静坐は身にゼロをもたらすもの。
何者でもない生を受けているこの身をただ感じている。
静坐をほどいて「私」となる。
ふらここや砂場ににぬつと注射針
ドイツの公園で見た光景。
ブラン…
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ずつと聴くレコードずつと昭和の日 陸沈
2017.05.02
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ずつと聴くレコードずつと昭和の日
レコード愛が止まらない。
平成が変わってもレコード。
レコード、フォーエヴァー。
当店はレコードの買取も行っています。
玉川や山吹の道吹き流る
井手町の玉川が山吹の見ごろ。
小野小…