《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
-
小満や山羊の瞳の夜のまろし 陸沈
2017.05.27
-
小満や山羊の瞳の夜のまろし
小満は立夏と芒種の間。
生物が生長していく時期。
山羊の瞳は貯金箱だと思われているが、夜は少しやわらいで。
うしおはふだんからほぼ丸い。
蜘蛛の囲の雨後を光らす二三粒
レコードの戦前の…
-
『髙崎武義集(自註現代俳句シリーズ七期44)』より
2017.05.25
-
新藁にまたがり性に目ざめたる
いなびかり流れの底に応ふもの
裏返し脱ぐ青年の汗のシャツ
白鳥の水輪岸までくづれずに
罠かける山の眠りをさまさずに
雪卸す梯子が雪に根を下ろし
鬼逃ぐる闇へとどめの年の豆
躓きてかをり…
-
しんしんとオリノコ・フロウ月涼し 陸沈
2017.05.25
-
しんしんとオリノコ・フロウ月涼し
エンヤの初期の代表曲「オリノコ・フロウ」。
夜の深まりをしみじみと感じさせられる。
扇風機躓く棒の如きもの
炬燵を片づけて三日後に扇風機を購入。
はじめてのタワー型。
虚子の「去…
-
ルートヴィヒ二世の居城青葉闇 陸沈
2017.05.23
-
ルートヴィヒ二世の居城青葉闇
ワーグナーにほれ込んだルートヴィヒ2世。
彼が建てたノイシュバンシュタイン城に行ったのは二十数年前。
雪の積もる日であった。
馬車に乗って行く人もあったが一人徒歩で雪を踏みしめな…
-
赤茶けし巌を弾く滝飛沫 陸沈
2017.05.21
-
真夏日が続くので躊躇なく滝に行く。
丹後に2日連続で。
初日は霧降りの滝。
ここはわかりやすくとても心地のいい滝。
滝そばにはめずらしく草原もあり、ごろごろしながらの滝見。
うしおもご機嫌で草を食む。
帰りは琴引…
-
汝とは夢なる現黄薔薇の香 陸沈
2017.05.20
-
汝とは夢なる現黄薔薇の香
山羊のうしおが前脚で引きずり落とした本がブーバーの『孤独と愛ー我と汝の問題』
一般的には『我と汝』だがタイトルを変えている。
とぼけた顔でこれを引っ張り出してきたのが笑える。
これを…
-
青梅を噛れば青きままの我 陸沈
2017.05.18
-
青梅を噛れば青きままの我
窪みへと沈む実梅や廃寺跡
上代の伽藍の跡を昼寝かな
上三句城陽平川廃寺跡にて詠む
鳴き真似に羊呼ばるる朝曇
夏の月牧明るくて馬暗し
仙人掌の花見に来ぬか社長室
-
滝の辺の心音和してゆくばかり 陸沈
2017.05.16
-
岩肌の艶かしきを滝伝ふ
滝の辺の心音和してゆくばかり
大滝と称しさらさら流れけり
蒸し暑かったので丹後の霧降の滝を目指したが、遠すぎたのと途中眠気が襲ってきたので断念。
由良川PAで一休みして、近くに滝はない…
-
ラムネ玉モロボシ・ダンの星にいる 陸沈
2017.05.15
-
ラムネ玉モロボシ・ダンの星にいる
ラムネを飲みながらラムネに浮かんでいるラムネ玉を思う。
画像:「ラムネ – 美味かもん雑記帳」より
滝壺や彼岸に問ひし美少年
明治に華厳の滝で投身自殺した藤村操を思って。
幹に彫り…
-
草毟る山羊の食い散らかしたあと 陸沈
2017.05.13
-
草毟る山羊の食い散らかしたあと
山羊は草なら何でも食べるというわけではない。
好き嫌いが結構あるので、最終的には人間がきれいにしなければならないことも。
家の脇に生えてきた雑草もほとんど食べてくれない。
六期…