《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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見えぬもの見ゆる魂みすゞの忌
2017.02.19
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(長門市HPより)
春の潮薫れる金子文英堂
春の風みすゞロードの詩札鳴る
見えぬもの見ゆる魂みすゞの忌
3月10日は童謡詩人金子みすゞの命日。
山口県の港町である長門市の仙崎にみすゞは生まれ育つ。
みす…
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脇差の長さとなりて分葱抜く
2017.02.18
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たらの芽や高枝鋏空を切る
たらの芽を剪つて喜び見失ひ
刺刺さる覚悟たらの芽拾ひけり
2年前にタラの芽を採りに連れていってもらった。
高枝バサミで剪るのがなかなか難しい。空を切ることもしばしば。
剪ったはいい…
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宋いまだ遠つ国かな実朝忌
2017.02.17
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盆梅に凝縮したる気品かな
小さきほどの気品かな。
陽炎や言ひ値骨董市の壺
外で行われている骨董市。
値づけも決まったものはなく。
売っている者もよくわかっていなかったりする。
宋いまだ遠つ…
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経験をせぬも経験亀鳴くや
2017.02.16
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経験をせぬも経験亀鳴くや
Aという経験をした人がいて、その経験をしていない人もいる。
しかし、その経験をしていない人は、Aをしていない経験をしているとも言える。
そもそも経験とは自分だけにしか存在しない…
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愛の日のチョコ大福の口福よ
2017.02.15
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愛の日のチョコ大福の口福よ
とにかく何でもいただけるのはうれしいもの。
朝東風を待つて散るもの落つるもの
朝になって散るものあり、落ちるものあり。
椿は落ち、山茶花は散る。
そのほかにもさま…
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蓮華座の如来春風知らぬ風
2017.02.14
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蓮華座の如来春風知らぬ風
蓮華座(座禅の座法)の如来。
春風が吹こうとも素知らぬ顔で座っている。
雨吹かば吹け、風吹かば吹け。
それがどんなものであっても。
写真は岐阜にある横蔵寺の大日如来像。
鎌倉期の…
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半刻を座り尽くすや雪解光
2017.02.13
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半刻を座り尽くすや雪解光
昨日は京都静坐会。
半刻は一時間、みっしり座りました。
立ち尽くすという表現はありますが、座り尽くすという表現はおそらくないでしょう。
雪はすでになくなっていましたが、座り尽くし…
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席はづす隙に山羊入る春炬燵
2017.02.12
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席はづす隙に山羊入る春炬燵
俳句では写真がないとわからないような句は、基本的によしとされない。
写真俳句というジャンルはあるが、言葉だけで極限まで描写をするのが俳句。
写真に頼るのをよしとはしない…
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寒波寝るら銀河鉄道遠ざかる
2017.02.10
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寒波寝るら銀河鉄道遠ざかる
寒が戻ってきた。
寒波、カンパ、カンパネルラということで三河弁になってしまったが、もう寝るしかない。
銀河鉄道には乗らない。
悪夢から解き放たれて今朝の雪
悪い夢から…
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佐保姫や線香かほる小半時
2017.02.09
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佐保姫や線香かほる小半時
佐保姫は春の女神。夏は筒姫、秋は竜田姫、冬はうつ田姫。
それぞれの女神が四季をもたらしてくれるというのは趣があってすてきです。
朝晩行っている30分ずつの静坐では線香を焚いて…