《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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なむあーめんだぶつの国の踏絵かな
2017.02.08
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絵踏みせる草鞋口づけするごとし
なむあーめんだぶつの国の踏絵かな
・・・・・踏絵踏む・・ ・・・・・
本日の三句詠はすべて踏絵。
踏絵は春の季語。
寛永五年から安政四年まで、長崎奉行所では毎年…
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冬桜天啓といふ余慶あり
2017.02.07
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冬桜天啓といふ余慶あり
河津桜は冬桜。先日下賀茂神社でのコーヒーフェスティバルに連れてこられていました。
思いもかけない桜。
天啓、または恩寵は余慶だと、ふと思い認めた句。
春を待ついくつもの…
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『太田文萌集(自註現代俳句シリーズ九期31)』より
2017.02.06
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春の夜や僅かの用を持ちて訪ふ
たたまれて棒となりたる古簾
鉾高し子の目の高さより仰ぎ
泳ぎ子の流るる先に父が待つ
少年の眼が仙人掌のかげにあり
美しく老いて弔問秋深し
角切らる間も荒鹿の眼…
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雉くはへ剥製となる孤狼かな
2017.02.06
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(写真:時事ドットコムニュース)
雉くはへ剥製となる孤狼かな
オークションに父の遺品の剥製を出品した男性が書類送検されたと。
剥製でも販売は届出をしないと遺法だとはじめて知った。
生きていても死んで…
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一音の長きピアノや冬終る
2017.02.05
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昨日はひさびさのびわ湖ホールにて、小菅優ピアノ・リサイタル。
小菅さんのピアノは一度聴いてみたいと思っていた。
最近の演奏者をあまり知らないが、これからの日本人ピアニストとして期待している若手。
正直、…
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反り冴ゆる御寺の太刀の細面
2017.02.04
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涅槃図の寝ぬるは山羊の化身かな
涅槃図は2月25日が釈迦入滅の日のため、涅槃会に飾るものとして春の季語となっている。
描かれている動物の種類は図によって違う。
おそらく山羊も描かれているとは思うのだが、…
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堅物の遺す春画や寒念仏
2017.02.03
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即
席麺真中決まりぬ寒卵
即席麺に卵を落とすとそこが真ん中となる。
チキンラーメンなら卵ポケットまでついている。
寒卵であることでよりきっちり決まった感が。
ロウバイの落ちてホタルとなる準備
蝋梅は…
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冬座敷ありをりはべりいまそかり
2017.02.02
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ぽこあぽこぽこあぽこぽこ日脚のぶ
ポコアポコは音楽用語で少しずつの意味。
少しずつ日脚が伸びて春に近づいていっている。
冬座敷ありをりはべりいまそかり
古文の授業で覚えさせられた方も多いのでは…
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チェロ立てて底冷の地祇鎮めたし
2017.02.01
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チェロ立てて底冷の地祇鎮めたし
京都の底冷えはやはり厳しい。
今年は雪も降ったわりには比較的ましのように思えるが、2月に入ったばかりなのでこれから。
チェロを立てると地が鎮まる気がする。地祇は地の神…
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道草の山羊に従ふ四温かな
2017.01.31
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反芻の山羊となれ冬うららかに
道草の山羊に従ふ四温かな
反芻はヤギの最たる魅力と言ってもいいかもしれない。
さらに人間がヤギから学び取りたい最たるものかもしれないと思うものです。
大して噛みもせずにま…