《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記
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長石彰『句集 記念樹』(本阿弥書店)より
2023.03.23
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2023年。
「玉梓」同人。第1句集。
教へ子の教師目指すと初便り
母の雛娘の雛に孫の雛
入学児兄の教室探しをり
母の日の暮れてエプロン外す母
蝸牛すぐにごめんと言へぬ子よ
熱帯夜つけつぱなしのテレビジョン
子に配る…
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渡辺過雁『句集 鷹柱』(文學の森)より
2023.03.21
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平成24。
「七曜」「天佰」「煌星」同人。第2句集。
逸れてばかり母のころがす大玉は
枯蓮は矢折れに折れて折れつくす
寒昴被災母子に灯を下さい
一団の桜一片づつ散らす
翔ぶことはなし船虫の逃げ足は
身二つに折れし大…
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本田俊子『句集 光のうつは』(文學の森)より
2023.03.14
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平成25。
「塊」同人。第2句集。
ゆきずりに櫨のもみぢのひとひらを
たんぽぽや臍ぽかぽかとしてきたり
秋蛍闇の柱をのぼりゆく
鶴帰る空を貫く道のあり
いちじくを割れば胎蔵曼荼羅図
虚子の忌や晩年にして見ゆるもの
三…
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森節子『句集 稲の花』(東京四季出版)より
2023.03.06
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平成21。
「きりん」会員。第一句集。
夜なべする母の背中にもたれけり
花冷や賽銭箱と募金箱
グランドに熱砂残して試合果つ
熱の児に小さき氷片含ませて
囀やヒットの続く草野球
遠き日の足裏で探る蜆取り
秋まつり町会長…
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福田千代子『句集 表裏一体』(文學の森)より
2023.03.03
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令和5。
「築港」「玉梓」同人。第1句集。
青春の坩堝となりしキャンプ場
塩鮭の口より塩のこぼれをり
植木市土の匂ひを買ひにけり
木下闇並ぶ木曽塚巴塚
秋桜女らしさは死語となり
凍滝のどこかに水の音したる
一湾の落暉…
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岸田稚魚『句集 花盗人』(立風書房)より
2023.02.20
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昭和61。
「琅玕」主宰。第6句集。
初雲雀なりやと腰を浮かしたる
母の日の母きよの名のまたはるか
雹跳ねてをりその他の音のなし
終戦日といふ一日を人のみな
陽炎の中にわがをり城消えて
居酒屋の扉が開いてゐて春の月
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成井侃『句集 素戔嗚』(角川学芸部出版)より
2023.02.16
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2014年。
「対岸」同人。第2句集。
風よりも軽くかまきり生まれけり
反転のあとの攻勢稲雀
ゆつくりと全体移動鰯雲
冬瓜に大愚の相のありにけり
栄螺籠栄螺満たして隙だらけ
荒神輿去りて酒の香ただよへり
退屈な金魚す…
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伊藤多恵子『句集 二言』(本阿弥書店)より
2023.02.09
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2012年。
「泉」同人。第2句集。
先頭に嬰抱いてくる賀客かな
笹鳴へ夫は眼鏡をはづしけり
捨てたしと思ふ雛の恐ろしき
鱏の来て秋扇はたと止みにけり
溝蕎麦の動かぬ水の流れけり
粧ふ山眠れる山を帰りけり
夜空青くて…
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延寿寺富美『句集 大旦』(文學の森)より
2023.01.29
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平成23。
「白桃」同人。第2句集。
膝出しておしやまになりぬ更衣
亀の子のジタバタとして買はれけり
抱くことも少なくなりし日焼の子
夜濯の手より淋しくなりにけり
さみしくてまた雪降らす雪女郎
宿の子の宿の手伝ひき…
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川合民子『句集 春障子』(東京四季出版)より
2023.01.21
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平成9。
「松籟」同人。「沖」会員。
大根をごぼごぼと炊く風の夜
栗飯のほつこり炊けて嫁姑
鳥雲に二伸まである母の文
夏めくや女の白き土踏まず
瞑りて奈落見るごと髪洗ふ
大焚火指の先より輪に入りぬ
木曽は雪蔵にみその…