《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記一覧

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《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

音羽和俊『句集 春の雪』(草樹俳句会)より

2022.02.22



平成25。
「草苑」同人→「草樹」会員。第1句集。

マフラーの結び目太く少年来

ふらここの蹴上げる空の軽さかな

初恋も失恋も海ソーダ水

葉桜となって漢の空となる

シャガールの羊と冬の午後に居る

あきらかに梟こちら見…

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川上弘美『句集 機嫌のいい犬』(集英社)より

2022.02.20



2010年。第1句集。

はつきりしない人ね茄子投げるわよ

C難度宙返りせる春のたましひ

初夢に小さき人を踏んでしまふ

少しだけ飛ぶにはとりやゐのこづち

目覚むれば人の家なりチューリップ

おたまじやくし諸手に掬ふこ…

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藤埜まさ志『句集 木霊』(角川書店)より

2022.02.17



2018年。
「森の座」同人。「群星」代表。第3句集。

嫁ぐかの柩の母の花衣

籐椅子に坐すや亡夫の押し返す

そこここに爆ずるゴーヤや敗戦日

枯れきつて骨うつくしき欅かな

麓まで垂るるその列初詣

冬耕も詩嚢も天地返し…

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白鳥竣『句集 陽炎』(卯新山文庫)より

2022.02.13



昭和52。
「寒雷」「陸」同人。第1句集。

子の頭撫づ雛の髪よりやはらかし

乳房躍らせ盥に春の水を張る

風しづむたび雛罌粟は蝶を飛ばす

ラムネ飲む壜の底より白鳥座

いぶかしみ金魚近寄る無精髭

天の川ひとは音たて尿り…

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矢成緑風『句集 月下香』(本阿弥書店)より

2022.02.05



1993年。
「万蕾」同人。第1句集。

朝より灼けて坑夫の墓百基

秋天を突く噴水の力づき

雪蹴つて負けの嘆きを隠さざる

肩に手を置かれてゐたり虫時雨

去年今年なく作業衣をつけにけり

秋晴や電柱の影壁に折れ

群羊に重な…

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田村幸江『句集 船遊び』(本阿弥書店)より

2022.01.29



1992年。
「草苑」「航標」同人。第1句集。

頬の傷皺となりたる終戦日

露座仏にほど近くゐて桜餅

鰤の頭をたたき切つたる光かな

風呂吹きの舌にくづれる旅疲

三日はやうねりに向ける舳かな

春立ちぬ仁王の足の裂け目に…

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松原雅子『句集 紅枝垂』(本阿弥書店)より

2022.01.16



1991年。
「草苑」「航標」「海流」同人。第1句集。

生国や藁の匂ひのつるし柿

オペラグラスを夫と互に初芝居

鶏小屋の敷藁かわく涅槃変

昼寝覚夢は五尺の母のこと

婚の荷の遠ざかりゆく袋掛

永き日の四時で止まりし大…

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河野美千代『句集 国東塔』(コールサック社)より

2022.01.06



2020年。
「沖」同人。第1句集。

冬花火果て群衆に気づきたる

還暦の未だ夕焼ほど闘志あり

北風や仁王の眼こぼれさう

夏よもぎ門だけ残る校舎跡

もろもろの管抜き去つて死者涼し

爪立ちを覚えたる子に天高し

お降や音に…

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清水余人『句集 香日向』(飯塚書店)より

2022.01.02



令和2。
「田」編集長。第1句集。

単線の一駅ごとの桜かな

黄昏に人の溶けゆく寒さかな

夏掛や母たひらかに寝ておはす

睡蓮の池の明るき美術館

冬銀河笑顔で帰るために泣く

母撮らば遺影にせよと花の下

初日いま海離れむと…

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黒田淑子『句集 絵筆』(玉梓発行所)より

2021.12.29



令和3。
「玉梓」同人。第1句集。

異国より帰りて花の淡きかな

母の日の母の絵を見に帰りけり

病床の夫に若葉の風通す

サングラス掛けて歩幅の広がりぬ

三世の動き出したる原爆忌

散紅葉掃かれぬままに砕けゆく

正月の母や…

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