《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記一覧

◎近畿一円、出張いたします。 一般書から学術書・専門書、現代から江戸(和本)まで。

Top >  日記

《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

黒田淑子『句集 絵筆』(玉梓発行所)より

2021.12.29



令和3。
「玉梓」同人。第1句集。

異国より帰りて花の淡きかな

母の日の母の絵を見に帰りけり

病床の夫に若葉の風通す

サングラス掛けて歩幅の広がりぬ

三世の動き出したる原爆忌

散紅葉掃かれぬままに砕けゆく

正月の母や…

続きを読む

大輪靖宏『句集 月の道』(本阿弥書店)より

2021.12.28



2019年。
「輪」主宰。上智句会代表。第5句集。

弥勒仏春を味はふ頬の指

駅の恋芽生え五月の通学路

水澄めば野に新たなる風生まる

燕去り豪農土間を閉ざしけり

紙漉きを守りて寡婦の腕太し

娘から他人行儀の年賀状

遠野…

続きを読む

大場梅子『梅子句集』(角川書店)より

2021.12.21



2020年。
「古志」同人。第1句集。

初節句百年ぶりの男の子かな

一歳のままの姉なり墓洗ふ

糸とんぼ風にさらはれそれつきり

ひと泳ぎして蛇穴に入りにけり

合掌をとけば小春の朱の鳥居

わが憂ひ蛍袋を出つ入りつ

席題の…

続きを読む

高根照子『句集 ティー・エンジェル』(ほくめい出版)

2021.12.14



平成16。
「苑」同人。

初春の鏡に若さ訊ねけり

お年玉ママに預けて無邪気なる

終点に客出迎への雪だるま

初心者のスキー止まらぬ叫び声

スケートの痣あちこちに風呂上り

山焼や北斗七つを染めて果つ

野を焼くを見し夜の夢…

続きを読む

平松良子『句集 天恩』(本阿弥書店)より

2021.12.09



1990年。
「雲母」同人。第2句集。

稲架木解くひとりの音の湖国かな

枯れてなほ枯るるもの音鎌倉は

梅挿してあり梅の木の下の墓

日論は睫毛に重し蕗の薹

巨木より苗木に春の隣りをり

初蝶や艦を真横に見てをれば

籾蒔い…

続きを読む

波戸岡旭『句集 父の島』((ふらんす堂)より

2021.11.28



1989年。
「沖」同人。第1句集。

殺し場となる幕が開き蛙鳴く

芒野を行くやたやすく道生まれ

むんむんと吾子の匂ひの蒲團干す

島の母起きる時刻の冬の星

枯山のすぐふところに突き當る

まづ言葉あたためてをり朝焚火

蓬…

続きを読む

来住野臥丘『句集 日雷』(霧の音発行所)より

2021.11.23



平成4。
「寒雷」同人。第3句集。

松飾立ちて図書館休館日

山ざくら奥多摩になお奥ありて

蟻の列の吾も一匹となり続く

折れし茎皮でつながり曼殊沙華

かぎりなく落葉流れ来流れ往く

冬霧や吐かねば怒り溜まるのみ

降りはじ…

続きを読む

渡辺政子『句集 修二会』(俳句アトラス)より

2021.11.13



令和1。
「春耕」「晨」同人。第1句集。

北窓を開きミシンの油差す

新涼の森へ押しゆく乳母車

産み月の牛に大型扇風機

重文となりたる東司小鳥来る

打ち鳴らす鐘に修二会の火の粉とぶ

ひとときを水鉄砲の標的に

熱の子に白…

続きを読む

奥村鷹尾『句集 朱雀春秋』(文學の森)より

2021.11.06



平成20。
「京鹿子」同人。第1句集。

鞦韆や虹より高きとき得意

鹿走る朝霧の野の神代めく

四方の気を圧して泰山木ひらく

拾ひ進む木の実やなほも降る中に

ずしり冷たき書をとき蔵書刻印す

枯苑となりたる日々の作務無沙…

続きを読む

辻桃子『句集 花』(牧羊社)より

2021.11.01



昭和62。
「花」主宰。第3句集。

~「あとがき」より~
私にとって「俳句をつくる」ということは、「世界を新しくする」ことなのだ。すでに出来ている俳句的既成概念を一歩踏み出して、「ああ、、まだこんなに新鮮な…

続きを読む

11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
【PR】  アジャスト カイロプラクティック 湯沢院  皚苑  YAMANAKA弦楽器  イタリア料理 ペッシェヴィーノ  はんこ屋さん 山形店