《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 | 日記一覧

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《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 の日記

新田千鶴子『句集 小鳥来る』(本阿弥書店)より

2020.09.28



2012年。
「青嶺」同人。第1句集。

小春日や二階から道教へられ

盆踊上手な人を見て踊る

あたたかや片方たたむ驢馬の耳

胸かたき少女の裸像小鳥来る

柿右衛門眺めし柿に夕日かな

冬ぬくしぬくしと鳶の大きな輪

三日はや…

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佐久間慧子『文字盤』(角川書店)より

2020.09.25



平成8。
「かつらぎ」同人。第3句集。

鷹高しさらに上なる点も鷹

クリスタルグラスの虜水中花

灯を洩らす郵便局も雪囲

白々と仔馬のための柵を塗る

日除艇愛生園へ向けて発つ

聖五月一賄婦たらんとす

はんざきの棲む夜の湖…

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斎藤梅子『句集 太初は海』(文學の森)より

2020.09.22



平成17。
「青海波」主宰。第6句集。


笙の音のこころごころに夜の秋


火祭の火屑いくたび踏むも旅


弁天は極彩色ぞ野分立つ


すすまばや雪片あまた襲ひくる


にんげんを演じきつたる汗の玉


伏流のここに出でたる濃あぢさゐ

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中尾杏子『句集 冬の陽炎』(本阿弥書店)より

2020.09.20



1997年。
「沖長崎」主宰。第4句集。

どの木からともなく蝉の木となれり

鳥わたる麺麭屋ま白のトレー積み

大学は僧院に似て白木槿

衣被剥いてをんなの聞き上手

別館へ曲りくねつて湯ざめせり

些事よぎる胸もと日傘ひら…

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堀川草芳『句集 蒼き闇』(扉俳句会)より

2020.09.18



平成19年。
「扉」主宰。第3句集。

寒天の風の軽さに干し上がる

つぎつぎに日射しを掬ひつばくらめ

四方より眺めて終る松手入

凍滝の力こもりし白ならむ

囀に力の満つる桂の木

空蝉の風にもがきし形に落つ

木守柿信濃の空…

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星野麥丘人『句集 燕雀」(角川書店)より

2020.09.17



平成11。
「鶴」主宰。第4句集。

元興寺塔阯の冬日だまりかな

帽子脱ぐ二人静にかがむため

筍飯炊くことけふのすべてなり

薔薇赤しそのほかのこと考へず

昼酒もすこし女ら鱧食うて

くつさめの夫唱婦随といふべかり

初夢に…

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寺田良治『句集 ぷらんくとん』(ふらんす堂)より

2020.09.14



2001年。
「船団」所属。

囀りにきき耳立てるごはん粒

みずうみのかたちに眠る五月の胃

青蛇の土手をすべつてゆく娯楽

数学は冷たくて好き枯山水

てのひらは元あしのうら山笑う

しばらくは砂遊びする蕨餅

大いなる鳥籠の…

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渡部節郎『句集 転舵の渦』(本阿弥書店)より

2020.09.11



2009年。
「沖」同人。第1句集。

若葉風抱へ気功の型うごく

咲くといふ白木蓮の解けやう

拗ね心あるやも端居して在す

鯛焼と判る温みを渡さるる

裸木と違ふ肌して立ち枯るる

あの時はあれでよしとす朧かな

省くものなく…

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名村早智子『句集 参観日』(本阿弥書店)より

2020.09.06



1998年。
「築港」同人。現「玉梓」主宰。第1句集。


こういうふうに句集になると、詠まれた子どもは決してグレることはないだろう。

大学と城のある街夕焼けて

日本を詠んだとは思うものの、ドイツのハイデルベルク…

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中野湘舎『句集 五叉路』(本阿弥書店)より

2020.09.04



2014年。
「春風」同人。第1句集。

人日の戦略会議始まりぬ

雪積むと母の便りの短くて

野辺送りすませて薄き蜆汁

巨人戦の切符出てきし曝書かな

商売の相手も夏に負けてをり

これがかのローレライなり船遊び

雨止めば遅…

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