《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 | 日記一覧

◎近畿一円、出張いたします。 一般書から学術書・専門書、現代から江戸(和本)まで。

Top >  日記

《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 の日記

『季語別 茨木和生句集』(ふらんす堂)より

2020.11.16



2003年。

幹太き松を抜け来て春の海

雪卸せざりし蔵の雪雫

その上に水の乗り来し薄氷

睦事はこのごろとんと桜餅

春障子鯉が跳ねしと開けにけり

自句自解させられてをる春炬燵

麦踏の手をどうするか見てゐたる

意を曲げぬ…

続きを読む

稲畑汀子『汀子句集』(ウエップ)より

2020.10.29



2003年復刊。 「ホトトギス」名誉主宰。第1句集。

今日何も彼もなにもかも春らしく

牧場はすなはち雨のクローバー

この辺の景色となつてゆく芒

景変りつゝ菜の花のつづきけり

湖に出て見るだけの避暑二日

かくれ部屋あ…

続きを読む

山崎千枝子『句集 素顔』(ウエップ)より

2020.10.25



2003年。
「燎」主宰。第1句集。

うかと出て春宵の街まだ寒き

車窓より飛び散る紙片夏来たる

夕端居語り部のごと語りをり

ひとことに思ひめぐらし鉄線花

万緑や父の一徹衰へず

白地着て父飄々と入院す

食いまだ叶はぬ父…

続きを読む

山本一歩『句集 神楽面』(文學の森)より

2020.10.21



平成23。
「谺」主宰。第4句集。

蚊の声の辺りを二つ三つ叩く

扇風機止つてをりし羽根が透け

さりげなく揺れて蓑虫日和かな

焼藷の屋台と歩調合うてをり

降る雪の中なる雪を掻きにけり

ラムネ抜いて何か忘れてしまひけり

続きを読む

大杉洋子『句集 蜃気楼』(あわ書房)より

2020.10.19



2008年。
「青海波」同人。第1句集。

大漁旗祭太鼓の破れぬか

水平に年移り行く去年今年

うぐひすの音の度ごとに杖を置く

これからは小市民なり卒業す

秒針の音の広がる小正月

屋久杉の木目細かき大西日

御宸筆たちまち…

続きを読む

田島和生『句集 天つ白山』(角川学芸出版)より

2020.10.15



2015年。
「雉」主宰。第3句集。

雪撥ぬる笹や先生癒え給へ

山羊繋ぎ一番草を取りゐたる

読始湯川博士の天才論

寄り添つて地に影ひとつ寒雀

バイオリン大ひまはりへ弾く子かな

あふ向きに死にゆく蝉へ蝉時雨

新藁の匂ふ…

続きを読む

鷲谷七菜子『句集 晨鐘』(本阿弥書店)より

2020.10.12



2004年。
「南風」主宰。第7句集。

寒月のいつのぼりゐし高さかな

声出さぬひと日の果の大嚏

満面に青葉の照りをゆるしけり

青梅雨の大き一枚ガラスかな

机ひろく拭きそれよりの涼夜かな

落椿いまだこの世と見ひらける

続きを読む

羽田岳水『句集 和光』(角川書店)より

2020.10.09



平成8。
「燕巣」主宰。第2句集。

鍛冶町に鍛冶の亡びし鳳仙花

空返事して妻とをり弥生尽

リラ咲くや石壁厚き洋酒蔵

人好しの顔も親似や花南瓜

ひやかして過ぎし夜店へまた返す

剃刀の替刃さがすや桂郎忌

鴨の位置かはりし…

続きを読む

羽田岳水『句集 胡笳』(安楽城出版)より

2020.10.06



平成12年。
「燕巣」主宰。第3句集。

紅葉冷え鐘冷え神変大菩薩

一尊に供へて婆の亥の子餅

右顧嫌ひ左眄さらなし蟇

入峰足袋替へて未明の霧へ発つ

搾乳の牛のめつむる豆の花

少年の口笛が行く月夜茸

大姉名の子を凩に呼ぶ…

続きを読む

佐久間慧子『句集 夜の歌』(文學の森)より

2020.10.03



平成24。
「葡萄棚」主宰。第4句集。

老ふたりつかずはなれず春耕す

泰山木真理一つと咲きにけり

花高し蓮の水の暗ければ

あばら屋と見れば闘鶏飼はれけり

白桃やルノアルの彩ところどころ

梟のどちら向いても真顔かな

夏…

続きを読む

17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
【PR】  畑中個人指導塾  こちらOK行政書士事務所  米澤ピアノ教室  オリジナルTシャツプリントショップ ホペイロ  和らゐ(warai)