《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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辻桃子『句集 花』(牧羊社)より
2021.11.01
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昭和62。
「花」主宰。第3句集。
~「あとがき」より~
私にとって「俳句をつくる」ということは、「世界を新しくする」ことなのだ。すでに出来ている俳句的既成概念を一歩踏み出して、「ああ、、まだこんなに新鮮な…
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今井和子『句集 象と出会って』(あざみエージェント)より
2021.10.15
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2014年。
「びわこ番傘川柳」同人。第1句集。
俳句の句集と思って買ったら川柳でした。
本屋でも川柳の個人の句集はまず見かけないので。
それでも川柳好きですし、俳句としてもよいものもあったのでおもしろかった…
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刈米育子『句集 行方も花野』(文學の森)より
2021.10.13
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平成16年。
「懸巣」同人。第1句集。
月涼し駅の広場のギター弾き
山焼の残せし一樹風集ふ
綿菓子を買ふメーデーの最後尾
不倫願望ドラマに託す夜長かな
人待ちて聖樹とともに点滅す
ダイエット明日に誓ひて餅を焼く
伸べ…
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橋添やよひ『句集 高瀬川』(ウエップ)より
2021.10.05
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2005年。
「風土」同人。第1句集。
つくづくし素顔で過す日曜日
荒縄のばさりと届き鉾を組む
鉾を見る夫にゆだねし手に気付く
気に入らるまでの年月小豆粥
蜜豆やスカートの丈短かめに
紫陽花のいろ抜く雨の白さかも
夏…
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森谷彰『句集 プーさんの瞳』(ふらんす堂)より
2021.09.28
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2006年。
「銀化」同人。第1句集。
鞦韆の足蹴つとばす町ひとつ
小路路地京に涼風通ひかね
さはあれどよきこともありわれもかう
用足すも用のひとつや網代守
プーさんの瞳は釦はるうれひ
亡きひとは即かず離れずあたた…
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松山たかし『句集 新とどのまつり』(象の森書房)より
2021.09.23
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2017年。
無所属。第3句集。
サクランボ民主主義の二者択一
曼殊沙華地獄極楽徒歩二分
炎天の清水焼は思うつぼ
牛蛙お詫び三回もう二回
虫の声フォークボールの落ちない日
繰り返しでんぐり返し栗ご飯
鳥帰るファミリー…
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古寺靖子『句集 桜貝』(玉梓発行所)より
2021.09.03
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令和3。
「玉梓」同人。第1句集。
昭和の日新しき季語生まれけり
流氷を割つてひとすぢ日矢の帯
水落す一幕もあり夏芝居
散水車七色の水うねらせて
時の日の花も新たに花時計
蘭鋳の尾鰭ふはりと魔性めく
ちぎれ雲呑み込み…
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八木健『句集 怠けぐせ』(本阿弥書店)より
2021.08.27
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石段を音符のやうに木の実落つ
エアコンか扇風機かとうちわ揉め
大粒よ喜雨のはじめの一滴は
落ちさうになれば吊り上げられ雲雀
カレー派と寿司派で揉める子どもの日
急斜面に怖ぢ探梅の俳人ら
切り分けし西瓜の塔に種の窓
…
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島野紀子『句集 青龍』(ふらんす堂)より
2021.08.03
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2018年。
「知音」同人。第1句集。
鉄棒に毛糸のパンツ回りをり
ひらがなの「つ」から習ふや入学児
若葉風いまだ素振りと球拾ひ
店主また帳簿取り出す驟雨かな
うす笑ひまたうす笑ひ昼寝の子
夜店の子何に機嫌を損ねし…
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志賀松声『句集 競べ馬』(角川書店)より
2021.07.25
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平成20。
「風」「雉」同人。第1句集。
絞る矢に頬ひきしめて弓始
六波羅に垂れ乳寒き奪衣婆
涅槃図の裾の蝋燭象照らす
清凉寺いま開帳の鉦太鼓
縄跳びの子の長き影草紅葉
流鏑馬の的をとらへしこだまかな
勝馬をしづめて…