《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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岩崎照子『句集 一卓一花』(本阿弥書店)より
2019.03.14
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1987年。
「かつらぎ」無鑑査推薦作家。第2句集。
かなり共感をもって読ませていただきました。
ヨーロッパに住みたいという思いがあったようで、第1句集はなんと『2つのドイツ』というタイトル。感性が近いので…
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藤田晴『句集 年輪』(東京四季出版)より
2019.03.11
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平成19。
「氷室」同人。第一句集。
孫居らぬ時よく回る風車
駆け寄りし犬に枯野の日の匂ひ
寝ね足りて覚めしふるさと若葉雨
点滴にかひな一本冷え切りぬ
草抜きてちちとの声へ近づきぬ
蓮を見るうしろ姿のうつくしき
禅寺…
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原田清正『句集 仔馬』(揺籃社)より
2019.03.06
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平成7。
「橡」同人。第1句集。
啄木鳥や珈琲にほふ森の家
山風にかわきておはす甘茶仏
向き違ふ巣箱の口や雪もよひ
朝市や遅れ来し荷の干蝮
秋の鮎青き火をもて焼きにけり
山鳥の尾羽を忘れし雪崩あと
朧夜の米吐く自動販…
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『西東三鬼賞』俳句作品集(第26回 2018年度)より
2019.03.03
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はじめての投句でしたが、佳作に入っておりました。
三鬼は有名な数句くらいしか知らず、この賞を俳人の方に教えていただいて出してたというくらいで。
結構人気のある賞のようで五千句以上の応募があったとか。
選に入…
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青柳志解樹『句集 松は松』(牧羊社)
2019.02.28
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平成5。
「山暦」主宰。第8句集。
俳人協会賞。
新涼や歯並びのよきハーモニカ
撫子や母の享年四十六
平凡も非凡もあらず青木の実
死といふはかく澄む冬の深空かな
父葬るなり白息を押しとどめ
顔すこし小さくなりて寒明く…
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尾亀清四郎『句集 東庭』(東京美術)
2019.02.20
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昭和63。
関西雪解会会長。第4句集。
大冊を積み春宵の古書肆閑
温泉あがりに倚る柱あり河鹿宿
塀の外にこぼれて香あり松手入
弧を描きて歩みを早め木の実独楽
野点傘閉ぢて夕月紅葉茶屋
黒板に出荷の仔細牡蠣を割る
天懸…
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大島民郎『句集 山月』(ふらんす堂)より
2019.02.14
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2006年。
「橡」同人。第5句集。
赤穂義士に思い入れがあるようで義士の句が多い。
正直、ほとんど義士に思い入れがないので辟易してしまったが、全体的には好きな句が多かったです。
雀の子奈良大学を巣立ちけり
こ…
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古賀まり子『句集 名残雪』(本阿弥書店)より
2019.02.12
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1994年。
「橡」同人。第6句集。
一草に秋冷走る花鋏
水際まで尺の積雪浮寝鳥
ここまでと言ひつつ生きて鬼を打つ
黄落を誘ふほむらや筆供養
放心といふ安らぎや今日四温
京菜漬けせつせと今日は女役
栄螺選る無口を楯に…
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桂信子『句集 月光抄』(東京四季出版)より
2019.02.09
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平成4。
昭和24年の処女句集の再版。
昭和13~23年の400句を収録。
暗い句も多く、正直読んでいてしんどいなあというのも多々。
これらが句会に回ってくるのかと思うとちょっとしんどい。
自己のつらさを直接的…
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小泉八重子『句集 幻花』(本阿弥書店)より
2019.02.06
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1998年。
「季流」代表。第4句集。
花どきの日本に着く遺骨あり
神と人その境目の虫の闇
霧の山売れて荒縄張られけり
北風に顔を曝して陶器売
向日葵や細身の男老いがたし
春くれば春の顔して古墳守
人容れていよいよ暗…